人生の苦労は何のためにあるのか?
人によって苦労の感じ方は異なる
人は人生を生きていく中で、さまざまな出来事を体験します。
そんなさまざまな体験の中で、特に記憶に残っていることは、苦労した体験ではないでしょうか?
もちろん楽しい体験も記憶に残っているのですが、どちらかと言えば苦労した体験、苦しい出来事の方が印象に強く残っているはずです。
そのような苦労した体験や苦しい出来事も、実は人によって感じ方が異なるようです。人は体感覚として個人差があるので、感じ方も人それぞれ違うのです。
ある人にとってはすごく苦労した体験でも、別の人にとってはあまり苦労と感じないこともあります。それは、その人がその出来事をどのようにとらえるかによって変わってきます。
しかし、感じ方の違いは大なり小なり、人によって異なりますが、苦労という体験に対しては少なからず苦しいという共通点があると思います。
たとえば、お金に関する苦労です。お金に関する苦労といえば、貧乏な生活をするという体験が挙げられます。必要なものが買えないということは、かなり辛くて苦しいことです。
お金がなければ食べるものも買えず、雨風をしのげる家に住むことも出来ず、病気になっても病院に行くことも出来ないのです。
いくらお金の苦労の感じ方が人によって異なると言っても、貧乏な生活が楽しいと感じる人はいないと思います。
他にも病気の苦労や仕事に就けない苦労、人間関係の苦労や恋愛に関する苦労など、さまざまな苦労があります。
では、人生を生きる上で、なぜこのような苦労を体験しなければならないのでしょうか?人はできるかぎり、このような苦労は避けたいと思うのが普通です。
誰も自分から進んで苦労をしたいとは思わないはずです。昔のことわざに「若い時の苦労は買ってでもしろ」というのがありますが、好き好んで自分から苦労をしたい人はまずいません。もしいるとすれば、よほどの変人でしょう。
実は苦労の裏側には大きなメリットがあるのです
私たち人間は人生を歩む上で、さまざまな出来事を体験するのですが、なぜ楽しい体験ばかりではなく苦しい体験、苦労の経験が用意されているのでしょうか?
実はその答えは第一章や第二章でお話した通り「人が生きている目的」「人生を歩む意味は何か」と密接に関係しているのです。
人が生きる目的とは「自分を進歩向上させるため」なのですが、その目標を達成するためには「苦労の体験」が必ず必要になってくるのです。
間違っても「楽しい体験」ばかりをしていては、進歩向上することはできません。
人は苦しい体験や苦労を経験するからこそ、楽しい体験や嬉しい体験の価値が分かるのです。
また、自分が苦しい体験や苦労をすることによって、苦しみがどんなものか、身をもって理解することができます。そして、人が苦しんでいる時や苦労している時に、人を助けることができるのです。
お金の苦労、貧乏な経験をして初めてお金のありがたみやお金の大切さが分かります。病気になって初めて、健康のありがたさが分かります。
大震災で食料が不足して、初めて食べ物のありがたさや食べ物の大切さが分かります。身近な人がいなくなって、初めてその人の大切さが分かります。
この世に生まれてきた人間はすべて未完成な人間なので、苦労を経験しないと自分にとって何が大切なものか分からないのです。
しかし、苦労を経験することで自分にとって大切なものが徐々に分かり、それにともなって進歩向上することができるのです。
苦しみや苦労を経験することで、自分にとって大切なものは何かを知ることができます。そして、自分に欠けているものを改善することで成長することが出来ます。
ですから苦労は自分にとってマイナスになるものではなく、自分にとってプラスになる大切な教材なのです。
もし今後、自分に苦しみや苦労などの試練が訪れたら、自分を成長させてくれる教材だと楽天的に考えると、少しは気分が楽になるのではないでしょうか。