満たされた人生は幸せなのか?
望み通りの人生は幸せと言えるか?
どんな人でも人生の中で、少なくとも一度は「幸せになりたい」と考えます。それは自然なことであり、逆に「不幸になりたい」と考える人はいないと思います。
幸せな人生を送ることは、ほとんどの人が望んでいることです。
では、あなたにとって「幸せな人生」とは、一体どんな人生なのでしょうか?
たぶん、ほとんどの人がこのように答えるでしょう。
「自分が望んだ通りの事が実現できるのが幸せな人生だ」「自分の願ったとおりに物事が進むのが幸せな人生だ」
たとえば、「欲しいと思ったものが手に入る」「お金の心配をせずに自由に買い物ができる」「好きな仕事に就ける」「休みたいときに休める」「理想の相手と結婚すること」「病気をせずにいつも健康」「人間関係の悩みがない」などです。
もしこのように、自分の望み通りの人生を生きることができたら、本当に幸せな人生と言えるのでしょうか?
確かにこのように何の苦労も無く、満たされた人生というのが理想であると人は考えます。しかし、このような人生はその人にとっても周りの人にとっても、なにもプラスにはならないのです。
なぜかというと、人生というのは「苦労なくして幸せを手にすることはできない」からです。苦労を乗り越えることで、幸せや喜びを感じることができるのです。
価値あるものは苦労なくしては得られない
もしも人生がすべて順調で、なんの困難も苦労もなかったらどうなるでしょうか?
なんの困難も苦労も経験すること無く、人生を歩んできた人がいるとするなら、その人は無意味で価値の無い人生を生きてきたことになります。
なぜならそのような人は、困難や苦労を乗り越えていないので、いざ自分が困難や苦労に遭遇しても、どうすればいいか分からないからです。
さらに、自分自身が困難や苦労を経験したことがないのに、他人が困ったり苦労していても助ける事ができるでしょうか?
人間は自分が困ったり苦しんだりした時に、はじめて困難や苦労というものを理解できるものです。そして、他人が困ったり苦しんだりしている時に、助けることができるのです。
自分が困難や苦労を経験していないと、他人が困ったり苦しんだりしていても、知らん顔をしているものです。
はたして他人が困ったり苦しんだりしている時に、知らん顔をしている人が価値ある人と言えるでしょうか?
何事もそうですが「価値あるもの」というのは簡単には手に入らないものです。「価値あるもの」は苦労や努力など困難を乗り越えて、やっと手に入れるものなのです。
「価値のあるもの」とは物だけに限らず「幸せ」や「充実感」など目に見えないものも同じで、簡単には手に入らないものです。
ですから、楽したり満たされてばかりの人生を歩んでいては、幸せな人生を送ることはできないと言えるでしょう。
人間は、困難や苦労を経験するから楽しいことが理解できるのです。困難や苦労なくして楽しいことや嬉しいことは分からないのです。
幸せな人生を送ろうと思えば、困難や苦労を避けて通ることはできないのです。「幸せ」とは、困難や苦労を乗り越えて初めて手に入るものなのです。
もし、困難や苦労に直面した時には「これは幸せになるチャンスだ!」と考えて心に余裕を持って対処すれば、必ず乗り越えることができるでしょう。