嫉妬心は不幸を呼び寄せる
「嫉妬心」は善か悪か?
人が「不幸」になる理由はさまざまですが、その原因の一つに「嫉妬心」(しっとしん)があります。
なぜ「嫉妬心」を抱くと「不幸」になるかといいますと、「嫉妬心」というのは自己中心的な思いから生まれるからです。
そもそも「不幸」というのは自分自身の心の感じ方です。ある結果に対して、自分自身の心の感じ方が「喜び」や「快感」に感じれば「幸せ」であり、「苦しみ」や「不快」に感じれば「不幸」であるということです。
「嫉妬心」というのは「ねたみ」であり「うらやましい」「憎らしい」という思いです。他人が自分より優れていたり、成功したり、上手くいくと、そのことに対して「うらやましく思い」そのことが「気に入らない」のです。
つまり、人が「幸せになる」のが「気に入らない」「腹が立つ」という思いが「嫉妬心」なのです。
このような思いは、だれでも抱いたことがあると思います。それは普通のことであり、人間だれでも経験することです。
しかし「嫉妬心」という思いが「善か悪か」と問われれば、それは「悪」ということになります。(詳しくは「第三章 善と悪について」をお読みください)
なぜ「嫉妬心」という思いが「悪」なのかと言いますと、「嫉妬心」という思いは「自己中心的な思い」であり「自分さえ良ければ他人はどうなっても良い」という思いだからです。
自分を相手の立場に置き換えてみると、なぜ「悪」なのかということが分かります。自分が相手から「うらやましい」「憎らしい」と思われて、いい気持ちになれる人はいないと思います。
「嫉妬心」が不幸を呼び寄せるメカニズム
問題なのは、そのような「嫉妬心」を抱き続けると、その思いは相手に対する行動となって現れるということです。
初めは小さな「嫉妬心」でも、やがてその思いは大きくなり、だんだん強い憎しみとなっていきます。そして相手の不幸を願うようになり、意地悪な言動や行動に発展していくのです。
ではなぜ「嫉妬心」を抱くと自分が不幸になるかといいますと、この世界には“原因と結果の法則”というものが働いているからです。
この“原因と結果の法則”を簡単に説明すると「この世界に起きる出来事(結果)はすべて原因があり、偶然の出来事(結果)というものは存在しない」ということです。(詳しくは第五章をお読みください)
つまり、他人に対して「嫉妬心」を抱いて意地悪な言動や行動という原因を行えば、いずれ自分にもそれに相応しい結果が返ってくるということです。
相応しい結果というのは、相手を「不幸」に陥(おとしい)れれば、自分にも同じくらいの「不幸」が結果として返ってくるということです。
この“原因と結果の法則”は人に恐怖を植えつけるためにお話しているのではなく、現実にこの世界に存在している法則なのです。ただ現在のほとんどの人は、この法則の存在に気づいていないだけなのです。
この法則の存在に気づいて、自分の思いや行動を改めない限り「不幸」から逃れることはできないでしょう。そして「幸せな人生」を歩むことは、かなり困難になります。
“原因と結果の法則”の存在に早く気づいて、正しく理解して実践した人から「幸福」の切符を手にすることができるのです。