返報性(へんぽうせい)の法則により、人は恩義を返したくなる
ギブ・アンド・テイクの精神
日本には昔から続いている慣習があります。
たとえばお中元やお歳暮、年賀状など相手から贈られると、ほとんどの人が必ずと言っていいほどお返しをします。
それは、相手から与えられたら恩を感じて、お返しをしなければいけないと心に感じるからです。
慣習ではなくても、相手から何かをもらったり、自分が困ったときに助けてもらった時、人は恩義を感じて相手にお返しをしようと考えます。
このようなことは何も日本だけではなく、外国でも同じように相手から何かプレゼントをもらったり、助けてもらった時にお返しをします。
外国では「ギブ・アンド・テイク」といいますが、お互いに与え合い、譲りあうことであり、お互い様の精神と言えるでしょう。
世界的に見ても、ある国が地震などの自然災害が発生した時など、他国の災害救助隊が支援に駆けつけることがあります。
これなども「ギブ・アンド・テイク」というお互い様の精神が、世界的に共通している精神であることがわかります。
人は誰かに助けられたら、今度はその人の為になるようなことを考え、自然に何かしたくなるものです。
このように人から何か嬉しいことをされると、人間は相手に恩義を感じ、自分も相手に対して「何か返さなければいけない」と思うようになります。
これは人間の中にもともと存在する“良心”というものに反応するからだと思われます。
返報性の法則で良好な人間関係を築く
人から何かプレゼントをされたりすると、その相手に恩義を感じてお返しをしたくなることを心理学では“返報性の法則”といいます。
この“返報性の法則”は、人の心を動かす事のできる、強力なパワーを秘めています。
街を歩いていてもこの法則を利用したセールスが、いたるところで見受けられます。
たとえば、デパートやスーパーの食料品売り場で、試食販売をしている所を見かけたことがあると思います。
私なども食料品を買い物に行った時、たまたま試食をしてしまいますが、高い確率でその商品を買ってしまいます。
たとえ“返報性の法則”を知っていても、ついつい買ってしまうのです。
また「無料プレゼント」などのキャッチコピーで集客している所がありますが、これなども“返報性の法則”を利用したビジネスです。
人間関係をスムーズに行う方法として、この“返報性の法則”を活用することはとても有効なことです。
それは何もプレゼントを与えるだけではなく、困っている相手を助けることでも“返報性の法則”は働きます。
大事なのは「自分から先に与える」ということです。
あなたが他人に対して価値あるもの、喜んでもらえるものを与え続ける事によって、相手はあなたが困ったときに喜んで助けてくれるでしょう。