ザイオンス効果で人は親しみを感じる
同じコマーシャルが何度も流れる理由
あなたは一回しか会わなかった人と、二回三回と何度も会った人と、どちらの人に親しみを感じるでしょうか?
その人が好きか嫌いかは別にして、会った回数が多い人のほうが親しみを感じるのではないでしょうか?
学校でも会社でも、毎日のように顔を合わせている人と、ほとんど顔も合わせることのない人では、当然ながら親しみの度合いが違います。
たとえば、毎日会っている同じクラスの人や同じ会社の同僚などは、街で出会っても親しく声をかけることができます。
また、テレビを見ているとコマーシャルが流れますが、同じコマーシャルを何度も見ることがあると思います。
同じコマーシャルを見る回数が多いほど、そのコマーシャルが記憶に焼き付けられ、親しみを感じるようになります。
たとえば、A社が販売しているカレーのコマーシャルを何度も見ているとします。
すると買い物に行った時いろんな会社のカレーが並んでいる中で、A社のカレーに親しみを感じて、ついつい買ってしまうのです。
テレビの同じ番組で同じコマーシャルが何度も流れる理由は、視聴者の潜在意識にイメージを焼き付け、親しみを持たせることが目的です。
それは、人が同じものに触れる回数が多いほど、親しみを感じやすいという人間の心理を利用したものです。
ザイオンス効果で良好な人間関係を築く
人は同じものに何度も接する事によって、親近感や好意を感じる様になります。
このような効果を心理学では“ザイオンス効果”といいます。
この“ザイオンス効果”を利用したビジネスの手法は、先ほどのテレビコマーシャルの例をはじめ、インターネットの広告や電車内の広告など、いたるところに存在します。
商品は人の目に触れる回数が多ければ、それだけ多くの商品が売れることになります。
また、選挙の時にも“ザイオンス効果”の威力を発揮します。
たとえば選挙の時に選挙カーで、候補者が何度も住宅街を走り回っていますが、これも“ザイオンス効果”を狙ったものです。
この“ザイオンス効果”は何もビジネスに限らず、人間関係にも応用することができます。
たとえば、自分が好意を寄せている相手がいるとすれば、できるだけ相手と接する回数を増やせば、相手に好意を持ってもらえる確率が高くなります。
また、直接会うだけでなく電話やメールなど、相手との接点を数多く持つことによって、“ザイオンス効果”を発揮させることができます。
ただし、相手が明らかに自分のことを嫌がっている場合は、ストーカーと間違われたり、単にしつこい人間と思われたり、後々面倒なことになるのでやめておきましょう。