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社会的証明の原理によって人はだまされる

人は大勢が行動していることに正当性を感じる

人間は多数の人が行っていることが正しいと考え、自分もその判断にしたがって行動する傾向があります。

 

このような人間の行動を心理学では“社会的証明の原理”と言います。

 

たとえば、あるラーメン屋さんの入り口にお客さんが10人くらい並んでいると「きっとあのラーメン屋さんは美味しいに違いない」と考えるようになります。

 

ラーメン屋さんだけでなく、パン屋さんや寿司屋さんなどに行列ができていても「あの店は行列ができるほど人気がある」と人は考え「今度、行ってみよう!」と思うようになります。

 

人間は大勢の人が行っていればいるほど、その行動が正しいと考えて、自分も同じように行動しようと考えます。

 

これは人間の習性であり、自分も他の人と同じ行動をしなければいけないと感じ、自分だけ他人と違う行動をすることに不安を感じるという心理が働くからです。

 

このような人間の心理を利用して、商品を販売している企業が多く見られます。

 

ネットショッピングで商品を購入する基準のひとつに、口コミがあります。口コミの人数が多ければ多いほど、その商品は人気があると判断して商品を購入するための参考にします。

 

また、テレビショッピングで使われるテクニックのひとつに「ただいま電話が大変混み合っております」というテロップを流すことが行われます。

 

これは消費者に「この商品は人気があり大勢の人が買っている」とイメージさせる事で、売上を大きく伸ばすことができます。

 

このように人間の心理を利用した商品の販売などは、注意して見ていると日常生活の中でいたるところに見受けられます。

 

多くの人が行動しているから正しいとは限らない

人間の心理に“社会的証明の原理”が働いているということは、視点を変えれば「多くの人と違う行動をしていると、変わり者であるとみなされる」ということが言えます。

 

特に日常生活においてのマナーやモラルというものを守らずに、自分勝手な行動をしている人は、社会の大多数の人から「変人」というレッテルを張られます。

 

不特定多数の人が利用するコンビニのトイレなどには“社会的証明の原理”を利用した注意書きが貼られているのをご存知でしょうか?

 

以前は「トイレを汚す人がいるので困っています。トイレはきれいに使いましょう」という貼り紙をしていましたが、全く効果がありませんでした。

 

そこで注意書きを「いつも当店のトイレをきれいにお使いいただき、ありがとうございます」と変えたところ、トイレの汚れがかなり減ったそうです。

 

この貼り紙を見た利用者は「みんなきれいに使っているんだから自分もきれいに使わないといけない」と考え、以前よりもトイレを汚さなくなったということです。

 

このような事例から言えることは、人に行動を起こさせるためには、多くの人が行っている行動をイメージさせて、ある行動を促すということです。

 

人は「自分は変わり者である」と他人から見られることを恐れます。

 

そして他人が行っている行動と同じ行動を、自分も行うようになります。

 

しかし、ここで注意することは、その行動が本当に正しいかということを、理性を用いて冷静に判断することです。

 

それは、周りの人が行っている行動が、必ずしも正しいとは限らないからです。

 

催眠商法などで、周りの人がみんな買っているからと思い込ませ“社会的証明の原理”を利用した詐欺にだまされないよう注意が必要です。

 

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