プラシーボ効果を認識して良好な人間関係を築く
偽薬(ぎやく)でも信じて飲めば効果がある
プラシーボ(プラセボ)とは偽薬のことで、“プラシーボ効果”とは偽薬効果のことです。
ただ偽薬といってもブドウ糖や乳糖が主成分であり、薬としての効果は無く、本物の薬と同じ形状なので見た目もわかりません。
しかし、実際には治療効果のない偽薬を飲んでも、本人は本物の薬だと信じているので症状が改善することがあります。
このような効果を“プラシーボ効果”と言い、偽薬を飲んで、ただ症状が改善するだけでなく、実際に理学検査の数値も変化する事があります。
「病は気から」と言うことわざがありますが、その人の気の持ち方によって、病気が良くもなり悪くもなることがあります。
たとえばサプリメントの効果ですが、サプリメントとは健康食品であり、薬事法での医薬品ではないため、飲めば病気が治るというものではありません。
確かにサプリメントを継続して飲むことで、病気の予防になることもあると思いますが、実際のところ体の健康に良いと信じて飲むことで、効果は大きく変わるのではないでしょうか?
“プラシーボ効果”による症状の緩和は人によって違ってくると思いますが、信じる力の大きさによって結果に差がでてくると考えられます。
このように“プラシーボ効果”とは偽薬を飲んでも、本物の薬と変わらない効果を発揮することです。
見方を変えると“プラシーボ効果”は、人を騙(だま)しているように見えますが、信じることで病気が治れば、本人にとっては良いことではないでしょうか?
自分の信念を過信することが失敗を招く
人はある意味でいうと“プラシーボ効果”で人生の大半を生きていると言えます。
なぜかと言うと、人間はある問題に直面した時に、何らかの信念を持って答えを導き出し、その答えに沿った選択肢を選ぶからです。
人それぞれが持っている信念というものは、その人が正しいと信じているものであり、別の人から見ればその信念は間違っている(偽薬)かも知れません。
それは“プラシーボ効果”と同じで、周りの人から見れば明らかに間違っていること(偽薬)でも、本人にとっては正しいことだと信じているからです。
たとえば、あなたの職場の人が、あなたの悪口を言っているのを聞いたとします。
その時、あなたならどのように考えて、どのように行動するでしょうか?
ある人は、自分の悪口を言われていることに腹を立てて、悪口を言っている本人に抗議するでしょう。
また、ある人は悪口を言われるまま相手にせず、そのまま放置する人もいるでしょう。
それは人それぞれの考え方があり、その人が持っている価値観の違いによって、行動の内容が変わってきます。
人は自分の考えは絶対正しいと信じて行動している人がほとんどですが、これは「私の考えたやり方で、必ず問題解決できるはず」と信じているからです。
しかし、自分が正しいと考えて行動したのにもかかわらず、結果が悪い方向へ進んだ場合は、自分の選択肢が間違っていた(偽薬)と認識する必要があります。
なぜなら、また同じ失敗を繰り返す可能性が高いからです。自分の考えは絶対に正しいとは限らないことを常に認識する必要があります。
人は常に冷静になって自分を見つめ直し、謙虚な気持ちで失敗を改善することにより進歩向上するのです。
“プラシーボ効果”という心理的効果の存在を知り理解することで、また同じ失敗をせずに良好な人間関係を築く事ができます。