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一貫性の法則を人間関係に活用するには

人は一度決めたことを変えたくない

人間の習性のひとつに一度決めたことや、ある意思表示をすると、その決めたことに対して最後まで一貫した立場を貫き通すという性質があります。

 

たとえそれが間違っていたとしても、自分ではそれが正しいと思い込み、訂正することに抵抗を感じます。

 

人間の思考や行動には、自分が最初に決めたことに対して、最後まで物事を貫き通さなければいけないという義務感が生まれます。

 

それは人間の習性とも言うべきもので、人によって程度の差はありますが、いちど決定したことは途中で変えること無く、最後まで変更しようとは考えません。

 

もちろん中には、いちど決めたにもかかわらず、途中で気が変わって変更する人もいます。しかし、多くの人は頑固ともいうべき態度で、最後まで変えようとはしないのです。

 

なぜ人間は、いちど自分が決定したことを、最後まで変えようとしないのでしょうか?

 

その理由は、人間には自分が下した判断が正しいということを、他人に認めてもらいたいという欲求が働くからです。

 

そして、自分が下した判断が本当に正しかったという、自己満足を得るために一貫した行動を取るようになります。

 

自分の決めたことが、いかに正しかったかということを自分に言い聞かせ、周囲にも自分の正当性をアピールするために、自分が決めたことを変えようとしないのです。

 

そのことは「自分の信じたことを最後まで貫き通す」という意味では、人間としての美談になりますが、そのことがかえって本人を誤った方向に押し進めている場合があるのです。

 

たとえばテロなどの反社会的集団は、人間的理性で考えて明らかに間違ったことだとしても、その集団にとっては自分たちこそが正しい行いをしていると考えています。

 

ですから「自分の信じたことを最後まで貫き通す」ということがすべて正しい行いをしているとは限らないのです。

 

自分の行っていることが本当に正しいことなのかということを、常に自分の理性を使って冷静に考えてみることが大切です。

 

一貫性の法則で良好な人間関係を築く

人が一度決定したことや、ある立場を取ることによって、無意識のうちにそれを正当化して最後まで一貫した行動を取ることを、心理学では“一貫性の法則”といいます。

 

この“一貫性の法則”はビジネスにも利用されており、企業の営業活動にも多く取り入れられています。

 

たとえばお客様に対して受け入れやすい条件を提示して、それを受け入れさせた後に、今度はお客様に対して不利とも思える条件を提示して、最終的に契約させるというテクニックです。

 

これは最初にお客様が自分で商品を買うことを決めているので、その後に多少なりとも条件が変わっても、一貫して自分の意志を通すという心理を利用したものです。

 

このテクニックは“承諾先取り法”または“ローボール・テクニック”とも言います。

 

例として書店で売られているホビーの書籍があります。「創刊号特別価格480円で販売、2号以降は1,980円」という模型作りの本などを見かけたことがあると思います。

 

この本は全部で80号から100号ほどのボリュームがあり、創刊号からすべて定期購読で買いそろえると20万円ほどになります。

 

途中解約は可能のようですが、ここでも“一貫性の法則”が働き、人はいちど決定したことは途中でやめることはできないものです。

 

ビジネスの現場ではこのような手法が活用されていますが、ビジネス以外でもこの法則を人間関係に活用することで、スムーズな人間関係を築くことができます。

 

“一貫性の法則”は特に初対面の人に対して効果のある方法です。

 

よく「第一印象が大切」と言われますが、これは心理学でいう“一貫性の法則”に当てはまるもので、人は最初に出会った時の印象を一貫して持ち続けるのです。

 

ですから後々に良い人間関係を築いていこうとするなら、相手と最初に出会った時に好印象を与えることです。

 

どのような好印象を与えるかというと、第三章の「人に好かれるタイプとは」でお話したような方法で人に対して接することです。

 

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