早い者勝ちという間違った常識
早い者勝ちが良いことだと思っている人とは
私達は子供の頃から“早い者勝ち”という考え方を教えられてきました。
特に兄弟姉妹の多い家庭は、幼児期の頃から“早い者勝ち”という概念を、身を持って叩き込まれる人が、多いのではないでしょうか。
おやつの時間には、自分の欲しいおやつをいち早く取った者が得であり、オモチャで遊ぶ時でも、自分の欲しいオモチャを先に取った者が得をするという考えを教えこまれます。
何でも他人と競争するときは“早い者勝ち”であり、幼児期から教えこまれた考え方は、その人の性格を形成していき、大人になってからも、その性格が変わることはありません。
たとえば電車に乗るとき、人を押しのけて、我さきに座席に座ろうとする人を見たことがあると思います。
また、デパートやスーパーなどで、お買い得商品や福袋の販売をしているときも、我さきに人を押しのけて商品を手にする人がいます。
このような人は、大人になっても子供の頃から染み付いた性格は変わらず、他人を押しのけてでも、早く手に入れた者が得をするという考えです。
反対に、グズグズしていては他人に取られてしまい「自分は損をする」と考えており、損をすることは悪いことだと考えているのです。
そして、子供の頃から“早い者勝ち”という概念を教えられているので、それが正しいことであると信じて生きているのです。
しかし実は、そのことが人間関係を悪い方向へと進めているのです。
なぜかというと“早い者勝ち”という考えは、他人を押しのけて自分が先に優位に立つという考えであり、裏を返せば「自分さえ良ければ他人はどうなっても良い」という、自己中心的な考え方だからです。
早い者勝ちが人間関係を悪くしている
他人を押しのけてでも自分が得をしたいという人は、自分のことしか考えていない自分勝手な人間であり、人から嫌われます。
そして“早い者勝ち”という考え方が善であるか悪であるか、どちらなのかという問いに対して答えるならば、悪であるということになります。
なぜなら「自分がされたら嫌なことは悪である」という、善と悪の判断基準に当てはめてみれば、悪ということが理解できるからです。
自分の目の前にあるものを取ろうとしている時に、他人が横から入ってきて取られたら、どんな気分になるでしょうか?
自分がされたら嫌なことは、他人に対してするべきではありません。
“早い者勝ち”が美徳だと信じている人は、自分の考えや行動が他人から嫌われているということに気づいていないようです。
“早い者勝ち”が正しいことだと信じて行動している人は、原因と結果の法則により、人間関係は必ず悪くなっていきます。
その事に早く気づいて、自分の考えと行動を改善しないかぎり、現在の人間関係が良くなることはないでしょう。