競争社会で勝つことが正しいという間違った常識
自分だけが競争に勝てば良いという考えは間違っている
この世の中は競争社会であり、弱肉強食の世界なので人を押しのけてでも「自分が勝たなければならない」という考えは、正しいと言えるのでしょうか?
私達は子供の頃から親や周囲の人から、何事においても競争に勝つことが正しいことであり「人に勝つことは良いこと」と教えられてきました。
小学校の運動会では、リレーや綱引きなどの競争で一位になればほめられ、優勝すれば素晴らしいことであると称(たた)えられてきました。
高校や大学の受験では、偏差値の高い一流といわれる学校へ入学できれば、周りの人からスゴイとほめられます。
このように現在の社会では、競争に勝って人よりも上に行けば優秀な人間であると考えるのが常識であり、そのことが正しいことであると信じています。
しかし、競争に勝って人よりも優れていると見られる人間がいるということは、競争に負けて人よりも劣っていると見られる人間が、必ず存在するということです。
では、競争に勝って人よりも優れている人間だと見られることは、本当に正しいことなのでしょうか?それとも間違ったことなのでしょうか?
結論から言うと「他人に勝って、自分が優位に立ちたい」「他人を押しのけてでも自分が勝ちたい」という動機で競争に勝つということは、間違ったことになります。
なぜかというと、善悪の判断基準である「自分がされたら嫌なことを、他人に対して行っている」からです。
自分だけが競争に勝てば、負けた人間はどうなっても良いという考えは、自己中心的な思考であり悪いことなのです。
人間社会に弱肉強食は当てはまるのか?
動物の世界は弱肉強食と言われますが、それは動物が進化の途上にあって本能だけで生きており、人間のように理性を持たないで生きているからです。
人間には本能のほかに理性を持っており、その理性を働かせているおかげで善と悪の判断ができるようになっているのです。
ですから人間社会においては弱肉強食という考えは存在しません。もし、弱肉強食という考えで行動している人間がいるとするなら、その人は理性のない動物に近い存在と言えるでしょう。
現在の人間社会では「他人との競争に勝つことが正しい」というのが常識になっていますが、それは間違った常識なのです。
競争すべき相手は他人ではなく、自分自身なのです。自分の中の怠惰な考えや、悪なる間違った考えと戦わなければならないのです。
他人と戦うことや競争することは間違った常識であり、そのような考えからは利己的な行動しか生まれてこないのです。
常に自分自身と競争して善なるものを目指し、人の役に立つことを考えて行動することが、自分自身を進歩向上させることになるのです。
人間関係において、相手と競争して勝つことばかり考えている人間は、いつまでたっても良好な人間関係を築くことはできません。
良好な人間関係を築くためには、いつも相手の立場に立って物事を考え、思いやりを持った行動をすることが大事なのです。