やられたらやり返せという間違った常識
なぜやられたらやり返すのか?
昔から「やられたらやり返せ」ということが言われてきました。
これは、なにか人から悪いことや嫌なことをされたら、同じようなことを相手に対してやり返せということです。
昔も今も、子供の頃からそのように「やられたらやり返せ」という教育をされてきた人も多いのではないかと思います。
子供の頃にオモチャで遊んでいて、誰かにそのオモチャを取られた場合、親から「オモチャを取られたなら取り返してこい!」と言われなかったでしょうか?
また、子供の頃に友達から叩かれて泣いて返ってくると、親から「叩かれたのならやり返してこい!」と言われなかったでしょうか?
このような教育は昔から行われてきたことであり、やられたらやり返すのが当たり前であり、逆にやり返さない事のほうが悪いと思われてきました。
なぜこのようなことが言われるのかというと、人から悪いことをされて、黙って泣き寝入りするのは損であり、また同じようなことをされるのを許すことになるからです。
世界的に見ても、外国では「目には目を、歯には歯を」ということわざがありますが、それも同じような意味です。
今までにも世界中で戦争などの争いごとが行われて来ましたが、これも「やられたらやり返せ」という精神に基づいて行われてきたことです。
しかし、今までそのような戦争や紛争などの争いごとが行われてきましたが、やり返したところで問題が解決した例は一度もないのです。
それどころか、やり返したら関係はますます悪化していくのが普通であり、やり返して関係が良くなることは、絶対と言っていいほどありません。
やられたらやり返したほうが良いのか?
今までの歴史を見ても分かるとおり、戦争などの争いはだんだん減ってきており、これから先の未来はもっと減ることになるでしょう。
その理由は、人類が過去に経験した戦争などの争いは、困難や苦しみをもたらすだけで、何の問題解決にもなっていないと気づき始めているからです。
人生案内サイトでもお話しましたが、人間がこの世に生きている理由は“進歩向上するため”であり、人類も昔に比べて大きく進歩向上したといえます。
昔に比べて人間の精神性も進化し続けており、いつまでも昔の古い価値観で物事に対応するということには限界があるのです。
このことからも言えますが、昔のやり方である「やられたらやり返せ」という方法は、実はお互いの恨みや憎しみが残るだけで、問題解決の手段にはならないのです。
人間関係においても、悪口を言われたら悪口を言い返すのではなく、なぜそのような悪口を言われる事になったのか、原因を究明することから始めなくてはなりません。
人間関係において「やられたらやり返せ」を実行しているレベルでは、人間関係はますます悪くなって泥沼化していくだけなのです。
これからの新しい時代は「やられたらやり返す」のではなく、やられたら話し合いで解決するなど人間の理性を使って問題解決することが必要なのです。