生まれつきの悪人は存在しない
すべての人間に良心が存在する
現在の地球上ではさまざまな犯罪のニュースが流れています。日本だけでも毎日、多くの犯罪のニュースが取り上げられています。
犯罪はもちろん悪なのですが、犯罪までは犯さなくても小さな悪は身近なところでも起こっているようです。
たとえば、イジメや嫌がらせなど法律上の犯罪ではありませんが、間違いなく「悪いこと」です。なぜ「悪いこと」かといえば以前にお話したとおり、自分がイジメられたり嫌がらせをされたらどう思うかです。
自分がされて嫌なことはすべて「悪」なのです。
しかし、イジメや嫌がらせをしている本人は悪いことをしているとは思っていないのです。逆にイジメられる方が悪いとか、イジメが面白いなどと思っており、罪悪感は感じられません。
つまり、悪いことをする人たちは自分では悪いことをしているという認識はほとんどありません。しかしながら、悪いことをしているという思いは心の片隅に少しはあります。それはすべての人間に備わっている「良心」というものがあるからです。
その証拠に悪いことをした人は逃げますし、捕まってもウソをつきます。心に「良心」があるから逃げたりウソをついたりするのです。そして「良心」は無意識に行動に出ます。
逃げることやウソをつくことは裏を返せば、自分がしたことは悪いことだと無意識に思っているからです。自分がしたことが正しいことだと思っているなら、逃げたりはしないからです。ということは心に「良心」がある証拠なのです。
悪の根源は「無知」です
もともと人間には善悪の判断装置がすべての人に備わっています。いわゆる「良心」とか「理性」と呼ばれるものです。「良心」や「理性」は目に見えませんが心のなかにインプットされています。
その「良心」を目覚させるか眠ったままにさせるかは、本人の意志しだいです。本人がそのことに気づいて「良心」を目覚めさせる努力をしない限り、「悪」をくり返すでしょう。
では「良心」が目覚めている人はどういう人かと言いますと、正しい知識をインプットしている人です。正しい知識とは「善と悪」を正しく判断する知識のことです。
反対に「良心」が眠ったままの人はどういう人かと言いますと、無知な人です。正しい知識を知らず、ただ無知なだけなのです。悪いことをしようと思ってしているのではなく、無知ゆえに「悪」や「失敗」という結果になってしまうのです。
人間はもともと「悪人」になるために生まれてきたのではなく、第一章や第二章でお話したとおり「進歩向上するために生まれてきた」のです。
それが間違った教育によって間違った知識を教えられ、間違った価値観を持ったため結果的に悪いことをしてしまうのです。
そういう意味では教育というものがいかに大切かということがわかります。善なる教育をすれば善なる人間が育ち、悪なる教育をすれば悪なる人間が育つということです。
そして、結果的に悪いことをしてしまう人は、かわいそうな人といえるでしょう。本人は「善と悪」を判断する知識を持たずに生きているのですから。
「無知」こそが悪を生み出す根本原因なのです。