悪い想いは百害あって一利なし
人はだれでも悪い想いをすることがある
人間の目には見えませんが、想念というものが存在します。
想念とは心のなかに浮かぶ考えや想いのことです。想念は必ずしも言語であるとは限りません。
人はなにか行動しようとするとき、必ず想念が先にきてその後行動に移します。無意識に行動する場合でも、自然と想念が先にくるのです。
人は緊急時などの時、言葉で考えずに体が動く時があります。
たとえば、道を歩いているとき路地から急に自転車が飛び出してくるとします。この場合とっさに体が動いて避けるわけですが、そんな時は行動に移す前に想念が瞬時に出てきて体が動くのです。
これは極端な例ですが、普段の生活では想念が先で行動が後になることは、はっきりと認識できると思います。
ところで、人はだれでも「悪い想い」や「悪い考え」をすることがあるものです。反対に「悪い想い」や「悪い考え」が浮かばない人は誰一人として存在しないということです。
「悪い想い」や「悪い考え」というのは何かといいますと、以前にお話したとおり「自分にされたら嫌なこと」を思ったり考えたりすることです。
たとえばある人に対して怒りや嫉妬心(しっとしん)、嫌悪感や恨み。「いじめてやりたい」「困らせてやりたい」「殴ってやりたい」最悪は「殺してやりたい」などと思うことです。
そのような想念を持ち続けると、やがて行動に移すことになります。
しかし、実際はそのまま行動に移す人は少ないです。なぜなら人間には「良心」というものが心のなかに存在し、ブレーキをかけるからです。
もし人間に良心というものが無ければ、犯罪は今の何倍も増えているでしょう。
悪感情は自分を不幸にする
では「悪い想い」や「悪い考え」をするだけで実際に行動しなければ罪にならないかというと、そうではありません。罪の重さから言えば実際に行動に移したほうが、はるかに罪は重いです。
しかし心に想っただけでもまったくゼロではありません。想いの量に比例すると考えていただけたらいいです。一瞬だけ想うのと、何日、何ヶ月、何年と想うのとは量が違います。
ここでもやはり原因と結果の法則どおり、想いの量に比例して結果も変わってくるということです。
人に対して怒りや嫉妬心(しっとしん)、嫌悪感や恨みなどの悪感情を持っていると、自分もいずれそのような悪感情に相当する出来事が起こるということです。
しかも、嫉妬心などの悪感情を常に持っていると、その人の性格にひずみが生じてきます。そして、その悪なる想念は容姿に反映されてきます。人の性格は顔の表情、特に眼の部分に現れてきます。
よく「目は口ほどに物を言う」といいますが、相手の目を見ただけでその人の感情や性格がだいたい分かるものです。
そして、悪い感情を持ち続けると病気になることがあります。これは邪気が体の中の気のめぐりを悪くさせるために、病気になると考えられます。
このように悪い感情を持っても良いことは何もなく、自分が不幸な人生を歩むだけです。
ですから悪い感情はできるだけ持たないようにして生きることが、幸せな人生を歩むコツなのです。