自分の価値観を人に押しつけることで人間関係は悪化する
価値観がまったく同じ人間は存在しない
人間は皆それぞれ考え方が違うように、価値観も人それぞれ違います。
価値観とは「何が大事であるか、何が大切であるか」という物事の価値を判断する感覚のことです。
人によって「何が大事であるか、何が大切であるか」ということは、個人の感覚の違いであり、人によって違うのは当然のことです。
たとえば職場で仕事をしていて、定時までに仕事が終わらず、残業を2時間することになった時、Aさんは「お腹がすいたので、軽く食べてから仕事をしよう」と考えました。
またBさんは「仕事の方が大事だから、休憩せずに仕事を先に終わらせよう」と考えました。
この場合、Aさんの価値観では仕事より空腹を満たすことのほうが大事であり、Bさんの価値観では休憩より仕事が大事ということです。
このように人間の価値観は個人差があり、人それぞれ違うものなのです。
中には他人と価値観が同じという人もいますが、何から何まですべての価値観がまったく同じという人は存在しません。
同じ家族や双子の兄弟姉妹でもそれぞれの価値観は違い、趣味や食べ物の好みや、物事の考え方は違うものです。
世の中は、いろいろな考え方の人や、さまざまな価値観を持った人間が存在しているおかげで、いろんな商品が売買されたり、進化が促されたりするのです。
相手に価値観を押しつけることは人格を否定していることになる
今の日本では個人の持つ価値観に対してはある程度自由であり、法律に反しないかぎり誰がどのような価値観を持っても、規制されたり強制されるということはありません。
しかし、外国のある国では人々の価値観が、規制され強制されているところも現実に存在します。
たとえば、海外旅行に行きたいと思っても自由にいけなかったり、戦争が嫌いでも徴兵制度により強制的に軍隊へ入隊させられる国が存在します。
そのような国に住んでいる人は、自分の価値観が規制され、強制的に変えさせられるという悲劇に直面しています。
もしあなたの価値観が規制されたり、強制的に変えさせられたら、いったいどんな気分になるでしょうか?
自分の価値観が規制されるということは、自由を奪われるということです。
人間は誰でも自分の考えや価値観を無理やり変えさせられることは、人間的に否定されることであり苦痛でしかありません。
それと同じように、自分の価値観を相手に押しつけるという行為は、相手にとって苦痛でしかありません。
人間はもともと自由意志を行使できる存在であり、自由を束縛するということは、人間としての存在を否定するのと同じことなのです。
ですから、もし自分の価値観を相手に押し付けているとすれば、相手の人格を否定していることになり、その人との人間関係は確実に悪化していく事になります。